ビジネスフォン買い替えを検討すべき時期は?買い替え・交換方法や注意点を解説!
最近、ビジネスフォンの調子がよくない。
しかし、買い替えるべきなのか、交換で済むのか、自分で交換できるのか、よくわからない。そんな企業担当者は多いはず。
そんな方に向け、ビジネスフォンの買い替えを検討すべき時期、買い替え・交換方法、買い替え時の注意点などを解説していきます。
ビジネスフォンの寿命と買い替え時期はイコールではない
機械製品である以上、ビジネスフォンにも製品寿命というものがあります。国立環境研究所の定義によれば、製品寿命とは「製品の製造時点から廃棄処理時点までの期間」のこと。ビジネスフォンの場合は10年程度、丁寧に取り扱っていれば15年程度が製品寿命だといわれています。
それでは、ビジネスフォンの買い替え時期は、製品寿命を目安にすればいいのか?というと、そうとはいえません。むしろ、ビジネスフォンの買い替え時期と製品寿命はイコールではないと考えておいた方がいいでしょう。
参考:国立環境研究所
故障してからビジネスフォンを買い替えるのでは遅い
なぜなら、ビジネスフォンが製品寿命を迎え、故障してしまってから買い替えたのでは「遅すぎる」からです。
ビジネスフォンは新品を購入すればすぐに使えるというものではありません。一般的に、販売店への問い合わせからビジネスフォンの稼働まで、少なくとも1週間程度の期間が必要。つまり、製品寿命を迎えるまでビジネスフォンの買い替えを待っていたのでは、ビジネスの生命線といえる電話業務が1週間ストップしてしまいます。
こうしたリスクを回避し、ビジネスへの影響を最小限にとどめるには、適切なタイミングで計画的にビジネスフォンを買い替えることが重要です。
ビジネスフォンの法定耐用年数は6年
それでは、ビジネスフォンの買い替えに適切なタイミングとはいつか?目安としてよく挙げられるのが「法定耐用年数」「耐久年数」です。
法定耐用年数とは、固定資産を減価償却する期間のこと。通常の維持補修をすることで「資産が本来の用途を満たすことができる年数」をもとに決められた指標です。ビジネスフォンの法定耐用年数は、主装置 / 電話機は6年、モジュラーケーブルなどは10年に定められています。
一方の耐久年数は、通常の使用で問題なく利用できる目安となる期間を「機器を製造するメーカー」が独自に公表するもの。耐久年数は必ずしも公表されるものではありませんが、おおむね耐用年数相当になる場合が多いようです。ただし、法定耐用年数 / 耐久年数は「期間内の動作を保証する」ものではありません。
ビジネスフォンの買い替えを検討すべきタイミング
ビジネスフォン買い替え時期として「法定耐用年数」を目安にできるのは上述したとおりですが、それ以外にも買い替えを検討したいタイミングがあります。以下から簡単に解説していきましょう。
耐用年数を超えた時点 / メーカーサポートが終了した時点
丁寧に取り扱っていれば、ビジネスフォンは「耐用年数を超えても問題なく動作」します。しかし、耐用年数を越えればビジネスフォンが故障する確率が高まることも事実。まずは、ビジネスフォンが耐用年数を迎えた時点で買い替えを検討するのがおすすめです。
「通常利用に支障がないから使い続けたい」ということであれば、次に検討すべきビジネスフォンの買い替え時期は「メーカーサポートが終了」したとき。補修パーツの供給を含め、ビジネスフォンのサポートが終了するのは「販売終了から6〜7年」となることが一般的です。
たとえば、2020年に導入したビジネスフォンの販売終了時期が2022年なら、サポート終了は2028年〜2029年。どんなに長く使い続ける場合でも、サポート終了後にはビジネスフォンの買い替えが必要でしょう。
ビジネスフォンに不具合が発生している
耐用年数の期間内 / 期間外を問わず、ビジネスフォンに不具合が生じているようなら、買い替えを検討するタイミングかもしれません。
- 電話機のボタンが反応しなくなった
- 通話中に相手の声が聞こえにくい
- 通話が途中で切れてしまう
不具合が電話機の問題だと切り分けられれば、電話機のみの交換で解決するかもしれません。しかし、ビジネスフォンは主装置 / 専用電話機の組み合わせです。複数の電話機に同じ不具合が生じるようなら、主装置を含めたビジネスフォンの買い替えがおすすめです。
リースアップの時期が近づいている
ビジネスフォンをリースで導入している企業であれば、リースアップ(契約期間満了)のタイミングでビジネスフォンを買い換えるのがおすすめです。
リース期間はビジネスフォンの耐用年数を考慮し、5〜7年程度に設定される場合が一般的です。
そろそろ不具合や機能への不満が出てくる時期と重なります。
再リースやリース物件買取という方法もありますが、機能 / 性能に優れる新品ビジネスフォンに買い替えた方が業務効率も高まるでしょう。
オフィスを移転する
ビジネスの成長にあわせてオフィス移転するときも、ビジネスフォンを買い替えを検討する絶好のタイミングです。なぜなら、オフィス規模の拡大によって、より機能性 / 拡張性の高いビジネスフォンが必要になるから。
仮に、既存のビジネスフォンで充分というケースでも、引越し後に壊れてしまえば、改めてビジネスフォンの買い替え / 工事を計画しなければなりません。新しい環境でビジネスをスタートさせるためにも、オフィス移転にあわせてビジネスフォンを買い替えてしまうのがおすすめです。
ビジネスフォンの交換方法は?自分でできる?
「ビジネスフォン買い替えのタイミングは把握できた。しかし、設置工事が必要になるオフィス移転はともかく、買い替えたビジネスフォンを利用するには、既存のハードウェアと交換するだけでいいのか?自分で交換できるのか?」気になっている方も多いでしょう。
電話機の交換のみなら自分でできる
既存ビジネスフォンの電話機のみであれば、自分で交換可能です。具体的には、既存電話機に接続されているモジュラーケーブルを外し、新しい電話機に接続し直すだけ。
ただし、ビジネスフォンは主装置に対応した専用電話機でなければ正常に動作しません。
既存電話機と同一機種・型番の電話機が必要ですが、機種が古くなると中古品でも入手が難しい場合もあります。
IP電話機の交換は設定が必要
ただし、主装置とLAN配線で接続されたIP電話機を交換する場合は、主装置 / IP電話機の設定が必要です。具体的には、IP電話機にIPアドレスを割り当て、ソフトウェアレベルで主装置と接続できるように設定します。
IP電話機の交換自体は、取り外したLANケーブルを新しい電話機に差し替えるだけですが、設定工事は国家資格を持つ工事担任者でなければ実施できません。
主装置交換は工事が必要
ビジネスフォンの主装置を交換する場合は、設置 / 設定工事が必要です。工事費はビジネスフォンの規模、主装置の種類に応じて変動しますが、工事担任者がいなければ実施できないのはIP電話機の交換と同様。
また、交換する主装置は「設置してある電話機に対応する同一メーカーの主装置」でなければなりません。こちらも、機種が古くなると入手が難しくなる傾向にあることは覚えておきましょう。
ビジネスフォンの主装置については以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:ビジネスフォンの主装置とは?役割・仕組み・価格やPBXとの違いを解説!
主装置 / 電話機の買い替えがおすすめ
ビジネスフォンを交換する方法を、いくつかのパターンに分けて紹介しましたが、自分で交換できるのは例外的であることを理解できたはずです。そもそも、電話機のみが故障しているのか、主装置にも不具合が生じているのか、専門家でなければ判断が難しいです。
ビジネスフォンに複数の不具合が生じているのであれば、買い替えを前提に、まずは販売店に相談してみることをおすすめします。
ビジネスフォン買い替えの流れ / 方法
ビジネスフォン買い替えの流れは、はじめてビジネスフォンを導入するときと基本的に同じです。
- 問い合わせ / 現地調査
- ビジネスフォンの機種選定 / 見積もり
- 見積もり最終確認 / 契約
- ビジネスフォン工事 / 開通
同様に、ビジネスフォン買い替えの方法も以下の3つです。
- 新品ビジネスフォンを一括購入
- 中古ビジネスフォンを一括購入
- 新品ビジネスフォンをリース契約で導入
ビジネスフォンの導入については以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:ビジネスフォンを導入するには?必要なもの・設定・導入方法・費用を解説!
新品ビジネスフォンか?中古ビジネスフォンか?
新品ビジネスフォンに買い替えるか?中古ビジネスフォン に買い換えるか?予算と想定する利用期間、ビジネスフォンに求める機能で選択します。
新品ビジネスフォン |
中古ビジネスフォン |
|
価格 |
主装置:20万円〜、 専用電話機:3万円〜 / 1台 |
新品ビジネスフォンの1/3〜1/5程度 |
耐用年数 |
6年 |
製造年から6年、サポートは製造終了から 6〜7年で終了 |
機能 |
最新機能を利用可能 |
製造年時点の機能のみ |
ニーズ |
ビジネスフォンを長期間利用したい |
とにかくビジネスフォンにかかるコストを 抑えたい |
購入か?リースか?
新品ビジネスフォンへの買い替えをするのであれば、一括購入か?リース契約か?それぞれの特徴、メリット・デメリットを把握した上で選択します。
購入 |
リース契約 |
|
ビジネスフォンの 所有権 |
ユーザー企業 |
リース会社 |
製品の選択 |
新品 / 中古どちらでも可 |
新品のみ |
契約期間 |
売買契約時のみ |
4年以上(5〜7年が一般的) |
固定資産の取扱 |
対象 |
対象外 |
減価償却 |
必要 |
不要 |
経費処理 |
不可 |
可能 |
メリット |
・新品 / 中古を問わず、ビジネスフォンを 自由に選べる ・総額はリース契約よりも安価 ・自社の資産にできる |
・最新機種を初期費用なしで導入 ・リース料金は全額経費に 計上可能 ・経理業務の負担軽減 ・万一の場合に動産保険を 適用できる |
デメリット |
・初期導入費用が高額 ・税金 / 保険料の支払いを含め、 自社管理が必須 ・会計処理が複雑になりがち |
・リース契約の中途解約は不可 ・リース期間満了時は 複合機を返却 ・中古はリースの対象外 ・総額は一括購入より高額 |
ビジネスフォンのリース導入については以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:ビジネスフォンのリース料金相場|契約前に知っておきたいリースの基本を解説!
ビジネスフォン買い替え時の注意ポイント
最後に、ビジネスフォンを買い替える際に、注意しておきたいポイントをいくつか紹介していきましょう。
回線契約 / プランも同時に見直す
ビジネスフォンを買い替えるタイミングは、契約済みの電話回線 / プランを見直す絶好のチャンスでもあります。
たとえば、アナログ3回線をひかり電話1回線3チャンネルに切り替えれば、通信基本料の削減が可能。ISDN回線を利用している企業であれば、2024年1月のサービス終了に備えてひかり電話に切り替える、などが考えられます。現在の電話利用状況と照らし合わせ、コストを最適化できる回線 / プランに乗り換えましょう。
業務効率を促進できる適切な機種選定
ビジネスフォンの買い替え時には「予算 / コスト」を重視しがちですが、業務効率を促進するための「使い勝手・機能」を忘れてはいけません。
特に、中古ビジネスフォンへ買い替える場合は注意が必要。現在、自社でよく使われているのはどんな機能なのか、あると便利な機能はなにか、事前に洗い出した機能を満たす機種を選定しましょう。これは、新品ビジネスフォンを選定する際にも役立ちます。
将来的な拡張性も考慮する
将来的な拡張性も考慮に入れてビジネスフォンを買い替えましょう。なぜなら、ビジネスフォンの主装置には「収容できる外線数 / 内線数に上限がある」からです。
たとえば、必要な電話機数が9台の場合、10台まで収容可能なSタイプ主装置を導入してしまうと「電話機1台まで」しか増設できません。将来的にスマートフォンの内線化を考えているのなら、オプションに対応した主装置も必要。3年程度先に想定される拡張に対応できるビジネスフォンを選ぶのがポイントです。
クラウドPBXを選択肢に加える
ビジネスフォン買い替えに柔軟性を持たせるため、クラウドPBXを選択肢に加えておくのもおすすめです。クラウドPBXとは、主装置の機能をクラウドで提供するサービスのこと。
物理的な機器を必要としないため、初期費用を抑えた運用を可能とし、PC、スマートフォン、IP電話機などを端末として利用できます。
たとえば、オフィスの移転が多くビジネスフォンの移設工事が大変、といったオフィスに最適。インターネットさえあれば利用でき、オフィス移転しても電話番号が変わらないメリットもあります。
ビジネスフォンの買い替え時期・交換方法を紹介しました
最近、ビジネスフォン の調子がよくない。しかし、買い替えるべきなのか、交換で済むのか、自分で交換できるのか、よくわからない。
そんな企業担当者の方に向け、ビジネスフォンの買い替えを検討すべき時期、買い替え・交換方法、買い替え時の注意点などを解説してきました。
ビジネスフォンがオフィスの必需品であることは現在でも変わりません。しかし、時代とともにコミュニケーション手法が変化していることも事実。買い替えのタイミングを機に、ビジネスフォンのあり方を根本的に見直してみることがおすすめです。