トナーカートリッジとは?インクカートリッジとの違いや交換方法を解説

トナーカートリッジとは?インクカートリッジとの違いや交換方法を解説

トナーカートリッジについて、以下のような悩みをお持ちではないでしょうか。

  • トナーカートリッジがどのようなものか気になっている
  • インクカートリッジとどう違うの?どちらがお得?
  • トナーカートリッジの交換方法を知りたい

本記事ではトナーカートリッジの特徴や、インクカートリッジとの違い、交換方法まで解説します。この記事を読めば、トナーカートリッジについてより理解が深まり、適切に取り扱う方法が分かるでしょう。

目次
  1. 1. トナーカートリッジとは
  2. 2. トナーカートリッジとインクカートリッジの違い
    1. 2-1. プリンターの種類
    2. 2-2. 印刷コスト
    3. 2-3. 導入コスト
  3. 3. トナーカートリッジのメリット
    1. 3-1. 高速印刷が可能
    2. 3-2. 長持ちしやすい
    3. 3-3. 色が滲みにくい
  4. 4. トナーカートリッジのデメリット
    1. 4-1. 色の再現性が低い
    2. 4-2. 長期保存すると不具合がある
    3. 4-3. トナーの価格は高い
  5. 5. トナーカートリッジの交換方法
    1. 5-1. 1.トナーを振る
    2. 5-2. 2.フロントカバーを開ける
    3. 5-3. 3.トナーを交換する
    4. 5-4. 【参考】トナーカートリッジの捨て方について
  6. 6. トナーカートリッジとは何かを説明しました

トナーカートリッジとは

トナーカートリッジとは

トナーカートリッジはレーザープリンターで使われ、トナーとよばれるミクロサイズの粉末状の粒子を含むカートリッジです。帯電性があるプラスチックの粒子を静電気で紙に付着させ、熱と圧力で定着させる仕組みとなっています。

トナーカートリッジとインクカートリッジの違い

トナーカートリッジと比較されるのがインクカートリッジです。それぞれの違いについて解説します。

トナーカートリッジとインクカートリッジの違い

プリンターの種類

トナーカートリッジではレーザープリンター、インクカートリッジではインクジェットプリンターが使われます。

インクジェットプリンターは、液体のインクをプリントヘッドとよばれる吹き出し口から噴射して印刷します。

関連記事:【プリンター】インクジェットとレーザーの違いは?おすすめの場合と製品を解説

 

印刷コスト

印刷コストはトナーカートリッジの方が安くなる傾向にあります。

トナーカートリッジ1本で5,000〜20,000枚、インクカートリッジ1本で100〜2,000枚程度が印刷できると言われています。1本あたりではトナーカートリッジの方が多く印刷できます

トナー・インクは価格が公表されていない製品が多いため、今回はトナーを使用するレーザープリンターと、インクを使用するインクジェットプリンターから印刷コストを算出して比較します。

上記関連記事で紹介しているレーザープリンターとインクジェットプリンターでA4カラー紙一枚あたりの印刷コストを算出すると以下の通りです。

  • レーザープリンター(リコー「P C301SF」):約12.1円
  • インクジェットプリンター(CANON「PIXUS TS8630」):約13.0円

上記の通り、若干レーザープリンターの印刷コストの方が安いため、トナーの方が安いと言えるでしょう。ただしメーカーや種類によって、トナー・インク1本あたりの印刷枚数や価格は差が大きいため、比較するものによってはインクの方が安くなる場合もあります。

そのため実際に特定のカートリッジの印刷コストを知りたい場合は、1本あたりの印刷枚数と価格から1枚あたりの印刷コストを算出しましょう。

導入コスト

導入コストは、トナーカートリッジの方が高くなりやすい傾向にあります。

トナー・インクは価格が公表されていない製品が多いため、おおよそではありますが価格目安は以下の通りです。

  • トナーカートリッジ:2〜7万円
  • インクカートリッジ:5,000〜1万円

使用プリンターを比較しても、レーザープリンターは本体サイズが大きくなりやすく、安価なモデルでも数10万円、通常の100万円から数100万円かかるモデルが大部分を占めます。

反面インクジェットプリンターは、ビジネス用のエントリーモデルであっても10万円から導入可能です。

このように、全体的にトナーカートリッジ本体はもちろんのこと、トナーを使用するレーザープリンターの方が導入コストが高くなりやすいと言えるでしょう。

トナーカートリッジのメリット

トナーカートリッジのメリットについて解説します。

トナーカートリッジのメリット

高速印刷が可能

トナーカートリッジを用いるレーザープリンターは高速での印刷が得意です。エントリーモデルでも1分あたり20枚/分で、50枚/分以上のモデルもあります。レーザープリンターは、感光体ドラムに印刷イメージを描き「面」で印刷できるためです。

インクカートリッジを使うインクジェットプリンターは、プリントヘッドを左右に動かし、少しずつ下にずらすようなイメージで印刷します。「線」での印刷になるため、どうしても印刷速度がレーザープリンターよりも遅くなりやすいのが特徴です。

ただしインクジェットプリンターは発色性がよく粒子が細かいため、繊細な表現が必要な写真印刷に適しています。

長持ちしやすい

トナーカートリッジは長持ちしやすい点が特徴です。トナーカートリッジ1本で5,000〜20,000枚、インクカートリッジ1本で100〜2,000枚程度が印刷できると言われています。

このようにインクカートリッジと比較して、トナーカートリッジは1本あたりの印刷枚数が多いため、交換の頻度は少なく済みます

近年では大容量タンクのインクカートリッジもありますが、全体としてはトナーカートリッジの方が長持ちしやすいといえるでしょう。

色が滲みにくい

トナーカートリッジは色が滲みにくいことが特徴です。トナーの粒子はプラスチックであり、印刷物が少し濡れた場合や、蛍光マーカーを引いた場合でも滲みにくくなっています。

反対に、インクジェットプリンターのインクは水性であり、水が付着すると滲んでしまいます。

そのため、蛍光マーカーを使用する場合や、屋外で使用する場合などでも使いやすいでしょう。

トナーカートリッジのデメリット

トナーカートリッジのデメリットについて解説します。

トナーカートリッジのデメリット

色の再現性が低い

トナーカートリッジのデメリットは、色の再現性が低い傾向にあることです。

インクの粒子は細かく発色性もよいため、高画質に仕上げやすい傾向にあります。

一方トナーを使用するレーザープリンターは、文書など、明暗がはっきりしたものの印刷は得意ですが、写真のような細かいグラデーションの表現は不得意なモデルも。

モデルによっては高画質なものもあるため一概にはいえませんが、写真印刷を中心にする場合にはインクジェットプリンターの方がおすすめです。

長期保存すると不具合がある

トナーは使用期限があり、一般的に1年から2年、長くても2年半程度までとされています。それ以上経過したものを使用すると、本体の故障につながるリスクもあるため、使用を控える方がよいでしょう。

トナーの価格は高い

トナーカートリッジの価格はインクカートリッジと比較すると高い点がデメリットです。前述の通りトナー・インクは価格が公表されていない製品が多いため、おおよそではありますが価格目安は以下の通りです。

  • トナーカートリッジ:2〜7万円
  • インクカートリッジ:5,000〜1万円

ただし、トナーは1つあれば5,000から20,000枚印刷できることから長持ちします。インクカートリッジは1本あたり100〜2,000枚程度しか印刷できないため、こまめな交換が必要です。

トナーカートリッジの交換方法

トナーカートリッジは交換する頻度が少なく、いざ交換する際にやり方が分からない人もいるでしょう。ここでは、トナーカートリッジの交換手順について解説します。

トナーカートリッジの交換方法

1.トナーを振る

新しいトナーは開封前に、左右に軽く振って慣らしましょう。トナーは粉状のため、トナーの内部で偏りがあると、色ムラが発生する可能性があります。またトナーは湿気の影響を受けるため、交換直前までは開封を控えてください。

ただし、あまり振りすぎるとトナーの粉が飛散する可能性があるため注意が必要です。トナーの中には、振ってはいけないものもあるため、取扱説明書の確認をしてください。

なお、万が一トナーが飛散した場合には、掃除機を使わないで掃除してください。トナーは引火性物質が含まれ、静電気などが触れることで粉塵爆発する可能性があります。

2.フロントカバーを開ける

多くの複合機・コピー機はフロントカバーを開けてトナーを交換します。電源は入れたままで問題ありません。電源オフでも交換可能ですが、電源をつけると操作画面で交換手順を指示してくれるプリンターもあるのでより交換がしやすいでしょう。

3.トナーを交換する

古いトナーと新しいトナーを入れ替えます。トナーのセット方法はプリンターによって異なり、フタやシールで保護されているものも。カチッと音がするものもあるため、しっかり交換できているかを確認しましょう。

交換手順を案内してくれるモデルであれば、問題ある場合にエラーとなるため、間違えずに済みます。トナーはできるだけ水平を維持して交換することがポイント。古いトナーもできるだけ水平にしておくと、トナー内に残っていた粉が出てきません。

交換したらカバーを閉じて完了です。

【参考】トナーカートリッジの捨て方について

トナーカートリッジは一般的なゴミとして破棄できません。上記で触れたように、引火性があり、一般ゴミとして処分すると、粉塵爆発のリスクがあります。

産業廃棄物として捨てるか、回収サービスを利用することがおすすめです。メーカーではトナーカートリッジの回収を行っているため、メーカーに回収依頼を出して対応してもよいでしょう。

トナーカートリッジとは何かを説明しました

本記事ではトナーカートリッジについて説明しました。トナーカートリッジはインクカートリッジと比較すると、1本あたりの印刷枚数が多いため長持ちしやすく、印刷コストも低い傾向にあります。

ただし、発色性はインクの方が優れており、1本あたりの値段が高いことなどはデメリットでしょう。

また、トナーカートリッジには引火性があるため、交換する際には注意が必要です。正しい手順を知り適切に扱いましょう。