複写機・複合機・プリンターの違い|機能やサイズなど特徴を比較
複写機や複合機、プリンターの導入を検討していて「そもそも複写機と複合機ってどう違うの?」「どの機器がおすすめ?」など機器の違いに疑問を持っていませんか?
本記事では複写機・複合機・プリンターの違いを解説します。機能やコスト、サイズの面から比較します。自社に最適な機器を見つけたい方は参考にしてください。
複写機(コピー機)・複合機・プリンターの違いは"機能"にある!
印刷機器で混同しやすいのが複写機(コピー機)・複合機・プリンターの3つです。下の表を見ていただくとわかる通り、それぞれの主な違いは搭載されている機能にあります。自社に適した機器を導入するために、言葉の定義を理解しておきましょう。
機能 |
複写機(コピー機) |
複合機 |
プリンター |
コピー |
⚪︎ |
⚪︎ |
× |
プリント |
× |
⚪︎ |
⚪︎ |
スキャン |
× |
⚪︎ |
× |
ファックス |
× |
⚪︎ |
× |
複写機(コピー機)は複写のみ可能
複写機の機能はコピーのみです。機器のガラス面に原稿を置いて読み込むことで、同じ内容の印刷物を出力します。なお、複写機はコピー機とも呼ばれ、複写機とコピー機は同じ意味で使われている点も押さえておきましょう。
複合機は多機能
複合機はコピーだけでなく、FAX・スキャン・プリントなどの機能も搭載しています。名称の通り複数の機能が一台に「複合」されているので、オフィスでは様々な場面で活用できます。
プリンターはデータをプリントする
プリンターの機能は一般的にプリントのみです。プリント機能はパソコンやタブレット、スマートフォンなどの保存されたデータを転送して、紙に印刷します。
コピーとプリントは混同されやすいですが、原稿を複写するのがコピー、データを紙に印刷するのがプリントと理解しておきましょう。
参考:複写機(コピー機)はほとんど存在しない
ここまで機器の定義をご説明してきましたが、実際のところ、コピー機能しか搭載していない複写機(コピー機)は現在ほとんど存在していません。
歴史をたどると、複合機の前身は複写機(コピー機)です。1951年に世界初のゼアゾ複写機が開発されたのがはじまりです。それから改良が重ねられ、1959年アメリカで事務用コピー機「ゼロックス」が誕生しています。1980年の後半以降で、FAX機能が搭載された複合機が登場し、それからスキャン機能やプリント機能も追加され、現在の形となっています。
こうした経緯を経て、2023年4月現在、オフィスでは複合機やプリンターの利用が主流です。たとえば印刷機器の主流メーカーの富士フイルム、キャノン、リコー、シャープ、コニカミノルタの製品ページを見ても、複合機またはプリンターのみ掲載されています。
ただし、実際には複合機をコピー機と呼んだり、コピー機(複写機)とプリンターを同じように捉えて説明されていたりするケースもあります。定義の違いがわかりづらいのは、こうした背景もあるでしょう。機器の注文時や社内でのやり取りでは、搭載されている機能を確認することで認識齟齬の発生を防げます。
【企業向け】複合機とプリンターの比較
先述した通り、企業が導入する場合、複合機とプリンターのどちらかの選択になる場合が一般的です。そのため、今回は複写機(コピー機)は比較対象に入れずに、プリンターと複合機の違いを以下の観点から説明します。
- 機能
- コスト
- サイズ
どの機器が自社に適しているか検討するための判断材料としてください。
機能の違い
機能 |
複合機 |
プリンター |
コピー |
⚪︎ |
× |
プリント |
⚪︎ |
⚪︎ |
スキャン |
⚪︎ |
× |
ファックス |
⚪︎ |
× |
機能の違いについては先述した通り、複合機は多機能、プリンターはプリント機能のみという点で違いがあります。
複合機はコピー機能・プリント機能・スキャン機能・ファックス機能など多機能なのが特徴です。その他、文書を自動処理・保存してくれるスキャン機能や、高度なモバイル通信機能などが搭載されている機種もあります。
一方、プリンターはプリント機能に特化。パソコンやスマートフォンで作成したドキュメントやタブレットで撮影した写真などを印刷する際に活用できます。また、実際にはプリンターの中でも「プリンター複合機」と称した多機能プリンターも存在しています。
機能面では、プリント機能以外も使用したいなら複合機、プリント機能の使用頻度が低いならプリンターに軍配があがるといえるでしょう。
コストの違い
比較項目 |
複合機 |
プリンター |
|
本体導入費用 (またはリース料金) |
高 |
低 |
|
印刷代 |
カラー |
カウンター料金に 含まれる |
9〜19円/枚程度 |
モノクロ |
2〜4円/枚程度 |
||
用紙代 |
同じ |
||
修理・保守費用 |
カウンター料金に 含まれる |
都度費用が発生 |
コストの違いを簡単にまとめると、上の表の通りです。複合機・プリンターを利用する場合にかかる費用は、以下の費用の合計額になります。
- 本体導入費用(またはリース料金):本体購入またはリースのための費用
- 印刷代:インク代やトナー代などを含んだ印刷にかかる費用
- 用紙代:印刷に使用する用紙の費用
- 修理・保守費用:修理やメンテナンスにかかる費用
1つずつ比較していきましょう。
本体導入費用(またはリース料金)
本体導入費用(またはリース料金)は、複合機よりもプリンターのほうが低い傾向にあります。機能が豊富な複合機のほうが費用が高くなることは想像しやすいでしょう。プリンター本体費用が7〜27万円ほどなのに対して、複合機は50〜600万円(※)と高額な傾向にあります。
※主流メーカー(富士フイルム、キヤノン、リコー、シャープ、コニカミノルタ)の本体価格を参考にしています。
印刷代
印刷代は一概に比較するのが難しい費用です。なぜなら、複合機の印刷代はカウンター料金で換算しているから。カウンター料金には印刷代の他、修理やメンテナンスにかかる費用も含まれています。
プリンターの1枚あたりの印刷代はカラーで9〜19円ほど、モノクロで2〜4円ほど。複合機のカウンター料金は1枚あたりの印刷代に換算するとプリンターより高額になる傾向にありますが、先述した通り修理やメンテナンス費用も含まれています。結論、大きな差はないといえるでしょう。
用紙代
印刷に使用する用紙の費用は、複合機・プリンター問わず必要になる費用のため、特に変わりありません。用紙代を削減したいなら、両面印刷や集約印刷(複数ページを集約して1枚に印刷する機能)を活用するといいでしょう。
修理・保守費用
修理・保守費用は、場合によりますがカウンター料金で対応可能な複合機のほうがコスパがいいといえるでしょう。
プリンターは修理が必要になった場合には都度修理費用が発生しますが、複合機ならカウンター料金の中に修理費とメンテナンス費が含まれています。
故障がなかった場合や短期間の利用で考えるとプリンターのほうが費用を抑えられることもありますが、長期間で見ると複合機のほうが有利といえるでしょう。
サイズの違い
画像引用:RICOH IM C6010/C5510/C4510/C3510/C3010/C2510 寸法図、RICOH IP C6020/C6020M 寸法図
サイズはプリンターのほうがコンパクトな作りです。
一般的に、複合機はオフィスの床に配置するタイプで、プリンターはデスクの上にもおけるコンパクトなサイズ感となっています。床の設置面積でいえば大きな差はないですが、プリンターはデスクの上に設置できるため、どこにでも設置しやすい点が魅力です。
複合機とプリンター、どちらを選ぶべき?
複合機 |
プリンター |
||
メリット |
・多機能 ・保守費用が抑えられる場合がある |
・導入費用が低い ・本体サイズが小さい |
|
デメリット |
・導入費用が高い ・本体サイズが大きい |
・プリント機能のみ |
ここまで説明してきた内容を踏まえてメリット・デメリットをまとめると、上の表の通り。
結論、機能性を求めるなら複合機、導入コストの低さやコンパクトさを求めるならプリンターがおすすめです。
自社が求める機能や月間印刷枚数、印刷速度、用途などを明確化した上で、機能・コスト・サイズ等の違いを踏まえて自社に適したものを選びましょう。特にコスト面は一概に比較できない部分がありますので、複数年でかかる総コストを算出してみると参考になります。
個人用複合機・プリンターのおすすめ
個人で利用することを想定している場合は、コンパクトで手軽な個人用の製品を選ぶのもありです。複合機・プリンターでそれぞれおすすめをご紹介します。
キヤノン:PIXUS XK100
キヤノンのPIXUS XK100は、機能もコストも求めたい方におすすめな個人用A4対応複合機。在宅ワークにも適したハイスペックモデルで、プリント機能に加えて、コピー機能、スキャン機能も搭載されています。
染料インクと顔料インクの5色をインクタンクに搭載しており、写真はあざやかに、文字はくっきりとした美しいプリントを実現しています。ホーム画面からスタートボタンを1度押すだけでコピーを実行できる手軽さも魅力です。
機能 |
コピー |
⚪︎ |
プリント |
⚪︎ |
|
スキャン |
⚪︎ |
|
ファックス |
× |
|
参考価格 |
34,797円〜(2023年4月時点) |
|
サイズ(横幅×奥行き×高さ) |
372×345×142(mm) |
エプソン:カラリオプリンター EP-50V
エプソンのカラリオEP-50Vは、色の再現性の高さと鮮やかなプリントが強みの個人用A3対応プリンター。シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの4色に、レッドとグレーを加えた6色インクが高画質を実現します。
印刷コストはL判1枚で約14.5円。高画質にも関わらず、自宅で写真を印刷するにも手軽な価格です。景色や人物の鮮やかさを調整する高彩モードや人物と風景、逆光などを自動で見分けて色補正を行うオートフォトファイン!EX機能など、高画質を叶えるための機能が豊富に搭載されています。
機能 |
コピー |
× |
プリント |
⚪︎ |
|
スキャン |
× |
|
ファックス |
× |
|
参考価格 |
44,780円〜 (2023年4月時点) |
|
サイズ(横幅×奥行き×高さ)使用時 |
476x785x411mm |
複写機・複合機・プリンターの違いを解説しました
複写機・複合機・プリンターの違いを解説の上、機能やコスト、サイズの面から比較を行いました。
複写機・複合機・プリンターの主な違いは機能。また、実際のところコピー機能のみの複写機は現在ほとんど販売されておらず、複合機とプリンターのどちらかを選ぶのが一般的でしょう。また、コスト面やサイズ面でも違いがあります。本記事で紹介した内容を踏まえて、自社にはどの機器が合うのか検討しましょう。