複合機のセキュリティ対策12選!複合機にも情報漏洩対策が必要
オフィスに複合機を導入しているものの、セキュリティ対策に不安に感じている方もいるのではないでしょうか。社内のセキュリティレベルを高めるには、パソコンやサーバーだけでなく、複合機にも適切な対策が必要です。
本記事では、複合機のセキュリティリスクや対策を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
複合機に潜むセキュリティリスク
複合機を社内ネットワークに接続する際は、パソコンやサーバーなどと同様にセキュリティ対策が必要です。企業の大切なデータを出力したり、データが機器内部に保存されたりするため、適切な対策をしなければ、情報漏洩につながる可能性があります。
不正アクセス
不正アクセスは、許可されていない第三者が複合機へアクセスしてしまうことです。ネットワーク経由や電話回線経由によって被害を受ける可能性があります。
不正操作
複合機が不正アクセスをされると、第三者に勝手に複合機を操作されるケースが考えられます。また、不正アクセスは外部からの犯行のみではありません。社内の従業員が別の社員になりすまして、重要なデータを漏洩させる可能性もあります。
情報漏洩
複合機内にはアドレス帳、コピーデータ、スキャンデータなどが保存されています。外部から不正アクセスされると、情報が持ち出されてしまい情報漏洩につながる可能性があります。企業の大切なデータが外部で悪用されるケースがあり、大きな損害が発生するでしょう。
また、FAXを利用する際に、間違った宛先を設定してしまうと、利用者に悪意がなくても情報漏洩する可能性があります。複合機で出力した書類を勝手に持ち出されることも情報が流出することにつながります。
データの盗聴・改ざん
悪意を持った人が社内ネットワークに不正アクセスすると、複合機の情報を盗み見される可能性があります。また、データを勝手に書き換えられたり、破壊されたりするケースもあるため、業務を妨害されてしまうでしょう。
攻撃する拠点に利用される
複合機に不正アクセスされると機器が乗っ取られる可能性があります。同じネットワーク内に接続されているパソコンやサーバーなどのIT機器を攻撃する拠点として複合機が利用されます。
被害が大きい場合は、社外に対して攻撃されるケースがあり、被害者から加害者になってしまうことが考えられるでしょう。
複合機に行うべきセキュリティ対策12選
複合機にセキュリティ対策を行うなら、適切な方法を実行する必要があります。
ネットワークへの対策
ファイアウォール設定
ファイアウォールは、外部からのアクセスを許可・拒否するシステムです。社内ネットワークとインターネットの境界に設置され、外部から複合機に不正アクセスすることを防げます。そのため、データの盗聴・攻撃・改ざんなどの被害を抑えられます。
オフィスのネットワークを構築するルーター(複数の端末をインターネットに接続する機器)に導入してみましょう。
ネットワーク機器のソフトウェアアップデート
ネットワーク機器のソフトウェアは、常に最新バージョンにアップデートしましょう。最新バージョンのソフトウェアは、前バージョンで発見された脆弱性が修復されています。社内ネットワークのセキュリティレベルを高められるため、外部からの攻撃を防げます。
ネットワークの暗号化
ネットワークを暗号化(他人に内容をわからなくする仕組み)すると、第三者から通信内容を盗み見されることを防止できます。万が一、社内ネットワークに不正アクセスされても、通信内容がわからないため情報漏洩のリスクを減らすことが可能です。
ネットワークを構築する無線LANそのものに暗号化の設定をしてみてください。
また、複合機によってはネットワーク通信を暗号化する機能が搭載されているものがあります。例えば、株式会社リコーが販売する複合機は、SSL/TLS暗号化通信の機能が採用されているため安全に利用できるでしょう。
複合機への対策
複合機へのセキュリティ対策を紹介します。
IPアドレスのフィルタリング
IPアドレスフィルタリングとは、アクセスを許可するIPアドレスの範囲を設定することで、アクセスを制限する機能です。
複合機にIPアドレスのフィルタリングを設定すると、あらかじめ登録されたIPアドレスのユーザーのみがアクセスできるようになります。組織内のIPアドレスは許可し、組織外は登録しないといった使い方が挙げられます。
株式会社リコーの「IM C2000」やシャープ株式会社の「BP-40C26」などの複合機で、IPアドレスのフィルタリングが利用可能です。
ユーザー認証
ユーザー認証とは、あらかじめ登録したユーザーを識別する機能です。
ユーザー認証を導入することで、複合機を利用する際に利用者本人なのかを判断できるようになります。登録されていないユーザーは複合機を使用できない為、なりすましや不正操作を防止可能です。
複合機によってユーザー認証の方法は様々ですが、カード認証やID・パスワード認証などを設定できます。
株式会社リコーの「IM C2000」は、ICカード認証、ユーザー名・パスワード認証、スマートデバイス認証などに対応しています。
また、富士フイルムビジネスイノベーション株式会社の「C2273」はユーザーIDでの認証を設定可能です。
アクセス権限の設定・管理
複合機にアクセス権限を設定することで、不正アクセス・不正操作・データ改ざんなどを防げます。利用者ごとにコピー・印刷・スキャンなどの機能を利用できる範囲を設定しましょう。
シャープ株式会社が販売する「BP-30M28」「BP-30M31」などで、利用できる機能を制限したユーザー設定ができます。
データの暗号化
複合機にはコピーやスキャンなどのデータが保存されています。データを誰でも閲覧できる状態だと、不正アクセスされた際に容易に情報を盗み見されます。
情報漏洩を防ぐために、複合機のデータ暗号化を活用しましょう。
株式会社リコーが販売する複合機「IM C2000」には、アドレス帳データや蓄積文章などを暗号化してから保存する機能が搭載されています。
機器内のデータ消去
複合機内にデータが残っていると、不正アクセスをされた際に情報漏洩するリスクがあります。複合機には蓄積されたデータを消去する機能が搭載されているため活用しましょう。
株式会社リコーの複合機「C2510」「C3010」などには、原稿読み取りやパソコンからの出力などによるストレージの残存データを上書き消去する機能があります。さらに、逐次消去や一括消去を利用者の要望に応じて選択可能です。
機密印刷
機密印刷とは、機密文章を印刷する際に、パスワードを入力しないと印刷できないようにする機能です。パスワードを知る本人以外が機密情報を印刷できないため、情報漏洩を防止できます。
株式会社リコーの複合機「IM C2000」「IM C2010」など多数の製品で利用が可能です。
FAXの宛先確認による誤送信防止
FAXの誤送信は、悪意がなくても情報漏洩につながります。FAXの送信前に宛先確認を行うことで、誤送信を防げるようになります。
シャープ株式会社の複合機「BP-70C65」「BP-70C55」などは、FAX送信時に宛先確認のメッセージが操作パネルに表示される機能が搭載されています。
アクセスログの監視
複合機へのアクセスログを監視するとことで、いつ、誰が複合機を利用したのかを可視化することが可能です。普段からアクセスログを取得しておくと、不審な行動を発見した際に、素早い対処ができます。
株式会社リコーの複合機「C2000」「C2500」などは、本機に蓄積された機能の使用履歴やアクセス状況などを確認できます。
利用者への注意喚起による対策
オペレーションのルールを決める
複合機のセキュリティ対策をするなら、社内のオペレーションルールの明確化も効果的です。どれほど対策を実行していても、従業員のミスが発生する可能性があります。あらかじめオペレーションルールを決めておくと、ミスを減らすことにつながります。
印刷物の放置を禁止したり、FAXの宛先を確認したりするなど、ルールを作成して社内で共有しましょう。
セキュリティ対策を成功させるポイントは利便性を落とさないこと
複合機は使用頻度が高いため、社員の利便性を下げない仕組み作りが大切です。セキュリティを強化したにもかかわらず、これまでよりも利便性が下がると業務の遂行に影響があるでしょう。
例えば、操作パネルでID・パスワードを入力する認証ではなく、社員証をかざすだけで認証できるほうがスムーズに操作できます。また、複合機のデータ消去をする際に、毎回パネルを操作するのではなく自動化できると手間をかけずに実行できるでしょう。
セキュリティ対策を強化する複合機を導入するならOA幹事にお任せ
セキュリティ対策を強化する複合機の導入なら、OA幹事にお任せください。国内では数多くの複合機が販売されているため、自社のみでは選びきれないケースがあるでしょう。
OA幹事はお客様が抱えている悩みや要望などをヒアリングした上で、最適な複合機を提案します。気軽にOA幹事までお問い合わせください。
複合機のセキュリティ対策【まとめ】
ここまで複合機のセキュリティリスクや対策について紹介しました。複合機を社内ネットワークに接続するなら、セキュリティ対策が欠かせません。
データの漏洩や改ざんなどのリスクを減らせるため、安全に複合機を利用できるようになります。本記事を参考に、セキュリティ対策に取り組んでみてください。