文書管理とは?目的や方法、おすすめの管理システムを紹介!

文書管理とは?目的や方法、おすすめの管理システムを紹介!

「自社の文書を効率的に管理したい」と考える人は少なくありません。文書管理を導入すると、業務が効率化するだけでなく、セキュリティ対策にもなります。

本記事を最後まで読むことで、文書管理のメリットや、導入のポイントを理解できるようになります。ぜひ参考にしてください。

目次
  1. 1. 文書管理とは
    1. 1-1. 法定保存文書について
  2. 2. 文書管理の目的と重要性
    1. 2-1. 業務の効率向上
    2. 2-2. サービスの品質向上
    3. 2-3. セキュリティ対策
  3. 3. 効率のよい文書管理のポイント
    1. 3-1. 文書の種類を明確にする
    2. 3-2. 分類基準を明確にする
  4. 4. 文書管理の方法
    1. 4-1. 紙文書の場合
    2. 4-2. 電子文書の場合
  5. 5. 文書管理システムを選ぶうえでの注意点
    1. 5-1. 必要な機能が搭載されているか確認する
    2. 5-2. セキュリティ対策が万全であるか確認する
    3. 5-3. マルチデバイスに対応しているか確認する
    4. 5-4. オンプレミス版かクラウド版か確認する
  6. 6. 文書管理システムをスムーズに導入するには
    1. 6-1. 目的・メリットを共有する
    2. 6-2. 安さだけで選ばない
    3. 6-3. 導入までの計画を立てる
  7. 7. おすすめの文書管理システム3選
    1. 7-1. 楽々Document Plus
    2. 7-2. Dropbox
    3. 7-3. Documal SaaS
  8. 8. 文書管理について解説しました

文書管理とは

文書管理とは

文書管理とは、組織内で作成された文書を適切に保存・管理し、必要なときに必要な人がアクセスできるようにすること。適切に管理された文書は企業の生産性向上を期待できます。

文書管理が重要なのは、適切に管理されていないと、文書を探すだけで多くの時間と労力を使ってしまうからです。そのためにも、文書のライフサイクルに合わせた適切な管理が求められます。文書管理のライフサイクルは以下5つの段階にわかれ、循環しています。

  • 作成(入手)社内で書類を作成したり、社外から書類を入手したりするプロセス。この時点では、書類を管理するかどうかは決まっていません。
  • 処理作成または入手した書類が配布、閲覧されて業務上の目的を果たすプロセス。紙媒体の場合は、スキャンしてデジタル化しておくと、以降の業務での活用が効率的になります。
  • 保管一度処理された書類は、一定期間は繰り返し参照される頻度が高いため「保管」してプロセス。アクセスしやすい場所に保管することで、業務効率を高めます。
  • 保存当面使う予定がなくなった書類を、必要に応じて保存するプロセス。書類の種類によっては定められた期間保存する必要があります。
  • 廃棄不要になった書類を廃棄するプロセス。いつまでも保存しておくと、情報漏洩のリスクがあるため廃棄します。

また、一部の文書はコンプライアンスの観点から情報開示を求められた場合、すぐ提出できるように一定期間の保管が求められます。これを「法定保存文書」と呼びます。

法定保存文書について

法定保存文書とは、企業や組織が法的な理由で保存しなければならない文書のこと。法定保存文書には、種類ごとに保存期間が定められており、保存期間内に破棄した場合は罰則を科せられたり税務調査で不利になったりする可能性があります。

では、法定保存文書とはどのようなものか、見ていきましょう。

永久保存が望まれる文書

  • 定款
  • 株主名簿
  • 登記・訴訟関係書類
  • 製品の開発・設計に関わる重要書類(特許書類など)
  • 従業員に関する書類(労務・人事・給与・社会保険など)
  • 官公庁への提出文書

10年の保存期間が定められている文書

  • 月次・年次決算書類
  • 会計帳簿(総勘定元帳など)
  • 株主総会議事録
  • 取締役会議事録
  • 監査役会議事録

7年の保存期間が定められている文書

  • 取引証憑書類(請求書、契約書、見積書など)
  • 源泉徴収に関する書類(扶養控除等申告書など)
  • 取引に関する帳簿(仕訳帳、現金出納帳、固定資産台帳など)
  • 有価証券の取引に関する証憑書類(有価証券受渡計算書、売買報告書、社債申込書など)
  • 現金収受や預貯金の取引に関する取引証憑(しょうひょう)書類(領収書、預金通帳、借用書
    など)

これらの文書は公的機関から要請された際に、速やかに提出することが義務づけられています。また、トラブルが起きた際に素早く対応できれば、企業が社会的信用の喪失を軽減できるでしょう。

文書管理の目的と重要性

文書管理の目的と重要性

業務の効率向上

必要なときに、必要な文書にアクセスできれば業務はスムーズに進みます。たとえば、過去に出した見積書を確認したいとき、無造作に保管された棚にファイルが埋もれていたらどうでしょうか。1つ1つファイルの中を確認して、目的のファイルを探し当てるのは相当な労力を要するはずです。

一方で、適切に管理された文書であれば、索引や日付ごとにファイルが整理されてすぐに見つけられるでしょう。このように、文書管理が適切な組織では業務効率に大きな差が出るのです。デジタルデータの文書なら、検索にかかる時間がさらに短縮されるのはいうまでもありません。

サービスの品質向上

顧客満足度はサービスの「質」と「提供される早さ」に比例します。サービス品質を向上させたいのであれば、文書管理は重要な要素の1つになります。問い合わせがあった場合、正確な回答をできなければ顧客は不満を抱えるでしょう。誤った解答をしてしまえば顧客が離れていく可能性もあります。

また、回答するまでに何日もかかってしまうようでは「いいサービス」とは思われません。問い合わせに対して即座に回答できるよう、検索システムを構築すれば顧客満足度は向上するでしょう。

セキュリティ対策

セキュリティ対策の観点からも文書管理は重要。社内の誰もがすべての文書にアクセス・編集できてしまうのは、セキュリティ上望ましいとはいえません。なぜなら、悪意のある人物によって文書が外部に流出または改ざんされてしまう危険性があるからです。契約情報や個人情報など、守秘義務がある文書を流出させてしまえば、会社の信用を傷つけるだけでなく損害賠償問題にまで発展する可能性もあります。

ほかにも、適切な文書管理をしていれば、顧客とトラブルが発生した場合に議事録や意思決定に関する書類を提示して相手を納得させることも期待できるでしょう。

効率のよい文書管理のポイント

効率のよい文書管理のポイント

文書の種類を明確にする

  • 法定保存文書かどうか
  • 機密レベルは高いか低いか
  • 顧客情報に関するものか

など、種類ごとに文書を分類しましょう。文書管理の分類方法は「ワリツケ式」と「ツミアゲ式」の2つ。どちらを選ぶかは組織にあわせたものを選ぶとよいでしょう。

ワリツケ式

「大分類→中分類→小分類」の順番でカテゴリ分けしていく方式。大分類から中分類、小分類とブレイクダウンしていくため、組織、部署単位で文書管理するのに適しています

ツミアゲ式

「小分類→中分類→大分類」の順番でカテゴリ分けしていく方式。現場目線の小分類からカテゴライズしていくため、現場にあわせた柔軟な管理に適しています

分類基準を明確にする

分類基準を明確にするのは、組織として適切に文書管理するためにも重要。なぜなら、個人レベルで分類基準が異なっては困るからです。個人が自分の価値基準で分類してしまうと、あとからその書類を必要とする人がスムーズにアクセスできなくなってしまうでしょう。

そのため、分類基準を明確に設け、マニュアルとして従業員に配布するのが望ましいでしょう。また、文書の名前の付け方、フォルダ階層のルールなどを明確にして周知徹底すると効率的な文書管理が構築できます。

文書管理の方法

ここでは、紙文書と電子文書の効率的な文書管理の方法を解説します。

紙文書の場合

紙文書の場合

紙文書の管理方法として広く採用されているのは「ファイリング」です。ファイリングは文書を定められたルールに沿って分類・整理する方法。複数の文書をまとめるファイルを用意し、キャビネットに保管します。

ファイルにはどのような文書が入っているのか、分類や日付を記載しておけば、効率的に見つけ出せます。保管されている文書の機密レベルが高い場合は、鍵付きのキャビネットに保管するまたは部屋に施錠するなどしてセキュリティを確保しましょう。

電子文書の場合

電子文書のメリットは高速かつ正確に検索できる点。電子文書の管理方法は、自社のファイルサーバーに電子化した書類を保存する方法と、クラウド型の文書管理システムを利用する方法の2通りがあります。

社内のファイルサーバーに保存する場合は、ファイル名やフォルダの階層化ルールを決めて格納します。こうすることで日付や分類で効率的なファイルアクセスが可能になります。

Ofigo契約書管理Fácil

画像引用:Ofigo契約書管理Fácil

クラウド型の文書管理システムは、上画像のような検索機能やセキュリティ設定など便利な機能を多く搭載しています。また、自社サーバーで運用するよりもセキュリティ性が高く、バックアップも自動で行ってくれるため管理コストを抑えられるのが魅力です。

いずれの場合も、ファイルのアクセス権限は適切に設定しておきましょう。誰でもアクセスできてしまうと、文書の改ざんや持ち出しなどのリスクを抱えることになります。

文書管理システムを選ぶうえでの注意点

文書管理システムを選ぶうえでの注意点

必要な機能が搭載されているか確認する

社内で文書管理システムを運用するにあたり、文書管理に関する課題を解決できるかどうかを確認しましょう。以下に課題と課題を解決する機能の例を示します。

  • 文書にアクセスしにくい→使いやすい検索機能を搭載しているか
  • セキュリティに不安がある→アクセス権限の設定やバックアップはできるか
  • 稟議の承認プロセスを効率化したい→ワークフローシステムを搭載しているか

すべての課題を解決しようとすると、予算が厳しい場合もあります。そういう時は、課題に優先度を付けて取捨選択することをおすすめします。

セキュリティ対策が万全であるか確認する

デジタルデータを管理するうえで欠かせないのがセキュリティ対策。セキュリティ対策がおろそかだと、悪意のある人間が文書を改ざんしたり、外部に持ち出したりする危険性があるためです。

役職や部署ごとに、必要な人間のみがファイルにアクセスできるよう、適切な権限設定ができる文書管理システムを選びましょう

マルチデバイスに対応しているか確認する

マルチデバイスに対応しているか確認する

画像引用:FileBlog

現代では、出張先やリモートワークで社内文書にアクセスする機会が増えています。外出先でファイルにアクセスする場合は、スマートフォンやタブレットを利用するケースも多いでしょう。

そのため、文書管理システムがマルチデバイスに対応しているかを確認しておくことが大切です。

オンプレミス版かクラウド版か確認する

オンプレミス版かクラウド版か確認する

文書管理システムがオンプレミス型またはクラウド型かを確認しておくことは重要なポイント。なぜなら、オンプレミス型は自社サーバーにアプリケーションをインストールして運用するため、初期費用が高額になりがちだからです。そのかわり、自社のネットワーク要件やサーバー、運用に合わせた柔軟なカスタマイズができます。

一方でクラウド型は、サービス提供者が用意したサーバーを利用するため、初期費用が安くサーバー管理の手間もかかりません。

文書管理システムをスムーズに導入するには

文書管理システムをスムーズに導入するには

目的・メリットを共有する

一方的に文書管理システムの導入を通達しても素直に全従業員が使ってくれるとは限りません。組織で文書管理システムを運用するには、ルールを社内全体に浸透させる必要があります。そのため、各部署の代表に運用ルールだけでなく目的やメリットも一緒に伝え、その後に部署内で共有してもらったほうが理解を得やすいでしょう。

従業員としても、メリットがなければ新しいシステムを使おうという気持ちが起きにくいもの。最悪、導入したシステムが無駄になってしまいます。使い方がわからない人のために、必要に応じて社内研修でトレーニングをするのも有効でしょう。

安さだけで選ばない

当然ながら、文書管理システムを導入するには一定のコストがかかります。しかし、コストばかりに目を向けてしまうと、必要な機能が使えないといったことになりかねません。料金は安いけど使いにくいのでは、従業員にも定着せずに結果的に無駄なコストを支払うことになる可能性もあります。

導入するときは「料金が安いから」だけでは選ばず「どういう機能が必要なのか」を事前に明確にしておき、その上でコストパフォーマンスが高いサービスを選びましょう。

導入までの計画を立てる

文書管理システムをスムーズに導入するには計画を立てることが重要。なぜなら、肝心の文書管理ルールも決めずに導入してしまえば、無秩序なファイル名や分類によってシステムが運用できなくなるからです。まずは、どのように文書管理システムを運用するのかを策定しましょう。

そのためにも、各部署や情報システム部と連携し現状を把握することが重要。現場の状況や希望をヒアリングすれば、組織として最適な文書管理の姿が見えてくるでしょう。誰にとっても使いやすいルールなら、システムのスムーズな浸透が期待できます。

おすすめの文書管理システム3選

製品名

特徴

価格(税込み)

楽々Document Plus

・ページ単位の高速全文検索と

 ビューワ機能

・契約書管理機能

・電子帳簿保存法、

 e-文書法に対応

165万円(100ユーザー)~

Dropbox

・ファイル管理に特化

・動画など重いデータも得意

・Standard:1ユーザーあたり1,500円 / 月

・Advanced:1ユーザーあたり2,400円 / 月

・Standard + DocSend:

 1ユーザーあたり5,600円 / 月

Documal SaaS

・文書のライフサイクルを自動化

・25年にわたる豊富な導入実績

・ワークフロー機能搭載

22,000円~

楽々Document Plus

楽々Document Plus

(画像参照元:楽々Document Plus

楽々Document Plusは、様々な用途に対応できる文書管理システムです。ITトレンド2022年の年間ランキングの文書管理部門では堂々の1位を獲得。

ドキュメントのライフサイクルをシステム上で一元管理でき、企業の文書管理を改善します。電帳法(e文書法)にも対応しており、ペーパーレス化を促進したい企業におすすめです。

価格はユーザーライセンス単位で販売されており、100ユーザーライセンス(165万円)から利用できます。

Dropbox

Dropbox

(画像参照元:Dropbox

クラウドストレージ大手のDropboxは、少人数チームからでも利用しやすいプラン設計が特徴。3人以上ならチーム向けプランを利用できます。

Advancedプランなら監査ログや管理者階層、ユーザーの代理ログイン等の機能を搭載しており、セキュリティ監視や通知アラートにも対応しています。

企業で導入するのであればエンタープライズプランも用意してあるので問い合わせてみてください。

Documal SaaS

Documal SaaS

(画像参照元:Documal SaaS

富士通からは25年の豊富な導入実績を誇るクラウド型文書管理システム「Documal SaaS」をご紹介。安価なパブリッククラウドとよりセキュリティの高いプライベートクラウドの2種類を用意しています。文書のライフサイクルの自動化を支援してくれ、有効期限を設定した自動廃棄機能も搭載。

柔軟なアクセス権限設定と閲覧・編集・承認などすべての履歴情報を保存してくれるのでセキュリティもばっちりです。ほかにもワークフローシステムも搭載しているため承認ワークフローを効率化したい企業にもおすすめのサービスといえるでしょう。

文書管理について解説しました

本記事では、文書管理についてメリットや導入ポイントなどを解説しました。

文書管理を本格的に導入したいのであれば、利便性や管理の面でも、文書管理システムを導入するのがおすすめです。ぜひ、本記事を参考に、自社にあった文書管理システムを検討してみてください。