コピー機・複合機のリース途中解約|トラブル回避方法と注意点を解説
コピー機や複合機のリース契約をする際に「途中解約はできるのか」「できるならどのような方法があるのか」気になる方もいますよね。
本記事では、コピー機・複合機のリース途中解約について解説します。リース契約をするか迷っていて、途中解約について理解しておきたい方はぜひご覧ください。
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コピー機・複合機のリース契約の途中解約は原則不可!理由は?
結論からお伝えすると、コピー機・複合機のリース契約の途中解約は原則不可です。理由はリース取引の仕組みが起因しています。
リース会計基準で定められているから
財団法人 企業会計基準委員会より公表されている「リース取引に関する会計基準」にて、リース取引は途中解約ができない取引だと明記されています。
「ファイナンス・リース取引」とは、リース契約に基づくリース期間の中途において当該契約を解除することができないリース取引又はこれに準ずるリース取引で……(以下省略)
前提として、リース取引には主に2つの種類があります。
- ファイナンス・リース取引
- オペレーティング・リース取引
上記のうちコピー機・複合機のリースは「ファイナンス・リース取引」となるケースが一般的です。ファイナンス・リース取引は「解約不可」かつ「フルペイアウト(※)」の2つの要件を満たす取引のことを指しています。
※借り手が機器の購入⾦額の概ね90%以上をリース料として支払うリース取引、または、解約不能のリース期間がリース物件の経済的耐用年数の概ね75%以上のリース取引のこと
リース取引ではこうした要件を設けることによって、不当に安く機器を購入するなどの悪用を防いでいます。
解約するとリース会社に損失が生まれるから
リース取引は購入代行のような側面があるため、解約するとリース会社に損失が生まれる仕組みとなっています。そのため、リース会社のビジネスを守るため途中解約が不可となっているのです。
リース取引では、ユーザーが希望するコピー機・複合機をリース会社が代わりにメーカーから購入します。リース会社としては、コピー機・複合機の支払いをすでにしている状況なため、ユーザーがリース料を支払わなければ負担した代金の回収ができなくなってしまいます。
そのため、リース契約で途中解約を許可してしまうと、リース会社に損失が生まれてしまいビジネスが成り立たなくなってしまうのです。
参考:リース・レンタル・ローンの違い
なお、リースと混同されやすい形態として「レンタル」と「ローン」があります。毎月支払いがある点で似ていると感じやすいですが、根本的に仕組みが異なります。
リース |
レンタル |
ローン |
|
契約期間 |
長期契約 |
短期契約可 |
長期契約 |
途中解約 |
原則不可 |
原則可(業者によって 期間の指定あり) |
原則不可 |
機種の選択 |
可 |
原則不可 |
可 |
所有権 |
リース会社 |
レンタル会社 |
ユーザー |
レンタルとリースとの違いは「不特定多数に対して」貸出を行うという点です。
リースではリース会社が特定のユーザーの代わりに機器を購入し、ユーザーはリース料金として支払います。レンタルの場合、レンタル会社が購入した機器を、ユーザーが月額利用料を支払って使用するという形態です。
また、ローンとの大きな違いは「所有権」です。リースはユーザーが希望する機器をリース会社が代わりに購入して、ユーザーへ貸し出す仕組みです。一方、ローンの場合はユーザーが購入するため所有権はユーザーにあります。
例外的にコピー機・複合機のリースを途中解約できる場合は?
リースは原則途中解約不可ですが、リース会社との協議によって途中解約ができる場合もあります。
機器の設置前である場合
コピー機・複合機を設置する前であれば、リース契約を解約できる場合があります。
リース期間の開始日は、ユーザーがリース会社に交付する「物件借受証」に記載されている借受日だからです。リース契約自体は契約締結によって成立しますが、リース期間の開始前であれば契約上の義務は発生していないため、解約ができます。
とはいえ、当然ですが契約締結前に十分に検討してコピー機・複合機を選定することが大切です。
残リース料を一括で支払う場合
リース会社と協議の上、残リース料を一括で支払えば解約できることがあります。この場合、契約内容によっては違約金を支払う必要がある場合もあるので注意しましょう。
たとえば5年間のリース契約を2年で途中解約したなら、違約金に該当する残り2年分の残債を一括で支払うことになります。
厳密には途中解約とは言い難いですが、廃業など止むを得ない事情がある場合の手段といえるでしょう。
不均等支払いを利用する場合
契約内容によっては、不均等支払いを利用して支払いを早く終えることは可能です。
不均等支払いとは、月々に支払うリース料金を減らしたり増やしたりできる制度のこと。毎月のリース料金の支払額を増やすことによって、支払いを早く終えることができます。
こちらも厳密には途中解約ではありませんが、早く解約するための1つの手段です。
リース契約を組み替える場合
リース期間中であっても、新たな機器のリース契約を結ぶことで契約を組み替えて新たな機器を利用することが可能です。組み替えには以下の2パターンがあります。
- 古い機器の残リース料金に新しい機器のリース料金を上乗せして支払う
- 古い機器の残リース料金を一括で支払い、新しい機器のリース契約を締結する
企業の拡大に伴い機器のスペックが不足してきた場合や、機能を追加したい場合、修理が頻繁に必要になり生産性が低下している場合などには組み替えもありでしょう。
リース契約したコピー機・複合機の買取は可能?
リース契約の途中解約時や満期を迎えた際に「コピー機・複合機を買い取って使い続けたい」「買取後に売却したい」など考える方もいるかもしれません。
しかし、リース契約をしていたコピー機・複合機の買取は不可の場合がほとんどです。可能な場合でも、今まで支払ってきたリース料金とは別に、買取時の中古価格に相当する価格を支払うのが一般的。
また、買取の場合、リース会社からのメンテナンスや修理は受けられなくなる可能性があります。リース契約期間使い続けてきた機器になるので故障のリスクも高くなり、保守にかかる費用が高くなってしまう場合もあります。
買取を考える際には、そもそも買取は可能なのか、故障のリスクは許容できるのか、等を踏まえて検討しましょう。
コピー機・複合機のリース契約でトラブルを避けるポイント
ここまでリースの途中解約について説明してきましたが、途中解約以前に、できる限りトラブルを避けてリース契約を行いたいものです。最後にリース契約でトラブルを避けるためのポイントを解説します。
リース契約が自社に必要か見極める
リース契約を締結する前に、導入方法として自社にはリースが適しているのか見極めることが大切です。
コピー機・複合機の主な導入方法は「リース」「レンタル」「購入」の3種類。
リース |
レンタル |
購入 |
|
契約期間 |
長期契約 |
短期契約可 |
契約期間に 縛られない |
途中解約 |
原則不可 |
原則可 (業者によって 期間の指定あり) |
- (買い切り) |
コスト |
基本的には レンタルより割安 |
基本的には リースより割高 |
買い切り固定資産税の支払い および 減価償却管理が必要 |
機種の選択 |
原則可 |
原則不可 |
可 |
所有権 |
リース会社 |
レンタル会社 |
ユーザー |
上の表の通り、それぞれ契約期間や途中解約の可否、コストなどが異なります。ざっくりおすすめのケースを挙げるなら以下となります。
- リース:3年以上の長期利用で、初期費用を抑えて機器の質を保ちたい場合
- レンタル:3年未満の短期利用で、手軽に利用したい場合
- 購入:長期利用で、総支払い額を抑えて売却など自由に行いたい場合
関連記事:リースとレンタルの違いとは?メリット・デメリットも紹介
リース契約の場合、初期費用を抑えられる他、最新機種に組み替えることでパフォーマンスを保ちながら利用できる点も魅力です。また、リース料を経費として処理できるメリットもあります。ただし、長期利用を考えると、支払い総額は購入するよりも高額になる傾向にあります。また、ここまで説明してきた通り、途中解約は原則不可です。
リース契約を締結する前に、メリットデメリットを踏まえて自社には本当にリース契約が必要なのかを見極めましょう。
相見積もりを行う
よりいい条件で契約するために、相見積もり(※複数の業者から見積もりを取ること)をして価格や条件を比較しましょう。
悪質な条件を提示された場合に気づくためにも、相見積もりを行い相場から大きく外れていないか確認することが大切です。
また、リース契約では月額のリース料金だけでなく、ランニングコストも忘れずにチェックしておきましょう。コピー機・複合機ではカウンター保守の契約を結ぶのが一般的。カウンター保守契約では1か月の印刷枚数に応じた料金を支払うことで、メンテナンスやトナー交換等を無償で受けられます。
関連記事:複合機・コピー機のリース料金相場|リースの仕組み・ランニングコストも解説!
相見積もりをして、よりいい条件の業者と契約を結びましょう。
コピー機・複合機のリース途中解約について解説しました
コピー機・複合機のリース途中解約について、途中解約の可否や例外的に解約できるケースなどを紹介しました。
リース契約の途中解約は原則不可。契約前に、リース契約が自社に本当に必要なのかしっかり見極めましょう。また、相見積もりを行い比較検討することも大切です。