複合機をリース導入するメリット|デメリットやリースの仕組み・種類も解説!
複合機を導入する企業の多くがリース契約を利用しているらしい。それはなぜか?複合機をリース導入するメリットはなにか?複合機導入にあたって知りたい企業担当者は多いはず。
そんな方に向け、複合機をリース導入することで得られるメリットを解説!知っておきたいデメリット、リースの仕組み・種類も紹介していきます。
複合機リース契約の仕組み
リースとは「機械 / 設備などを導入したいユーザー」と「リース会社」の間で締結される賃借契約のこと。ユーザーの希望する機械 / 設備などをリース会社が購入し、一定期間貸し出す対価として、ユーザーが月々のリース料金を支払う仕組みです。
リース契約の対象となる機械 / 設備などを「リース物件」といい、リース物件に関する「売買契約」は、販売店 / メーカーとリース会社の間で結ばれます。
画像出典:三井住友ファイナンス&リース株式会社
リース物件を利用するのはユーザーである一方、所有権はリース会社に帰属することがリース契約の特徴。また、取引内容の違いによって、リース契約は大きく「ファイナンスリース」と「オペレーティングリース」の2種類に分類できます。
ファイナンスリース / オペレーティングリース
ファイナンスリースとは、取引内容に「解約不能」「フルペイアウト」を含むリース契約のこと。フルペイアウトとは、リース物件の取得価額および、それに付随する諸経費を合計した全額をユーザーが支払う取引のことです。
一方のオペレーティングリースとは、ファイナンスリース以外のリース契約のこと。リース物件の取得価額に「残存価値」を設定することで、借り手の負担を軽減できることが特徴。建設機械やカーリースなどで利用されるリース契約です。
画像出典:三井住友ファイナンス&リース株式会社
複合機リース契約の場合は「ファイナンスリース」を採用することが一般的です。
複合機のファイナンスリース契約に含まれるもの
ファイナンスリースを採用する複合機リース契約は、フルペイメント取引となることが特徴。そのため、月々のリース料金には、リース物件(複合機)に関連する以下の費用がすべて含まれています。
- リース物件価格(複合機)
- 税金(固定資産税)
- 保険費用(動産総合保険)
- リース会社の手数料
複合機リースの契約期間
複合機の月額リース料金は「複合機の価格 + 諸経費」を「リース契約期間」で均等割した金額です。一般的に、支払い総額を抑えるにはリース期間を短くすることが有効。しかし、リース期間はユーザーが自由に設定できるものではありません。「リース物件の耐用年数 × 70%」が、リース期間の下限と定められているからです。
複合機の「法定耐用年数は5年」と定められているため、5年 × 70% = 3年(小数点以下切り捨て)がリース期間の下限となります。一般的には、3年〜6年の間でリース期間を設定する企業が多いようです。
複合機をリース導入するメリット
なぜ、多くの企業が複合機の導入にリース契約を利用するのか?それは、リース契約に大きなメリットがあるからにほかなりません。
以下から、リース契約の仕組みを踏まえつつ、複合機をリース導入することで得られる具体的なメリットを解説していきます。
最新の複合機を初期費用なしで導入
複合機をリース導入する最大のメリットは、100万円を超えることも珍しくない最新の複合機を初期費用なし、負担の少ない月額リース料金で導入できることです。フルペイアウトでありながら初期費用が不要なのは、全額を契約期間で均等割するファイナンスリースならではの特徴。
高額な初期費用が不要になる分を運転資金に回せる、キャッシュフローを改善できるのは、どのような企業にとっても大きなメリットだといえるでしょう。
リース料金は全額経費に計上可能
原則として、リース料金全額を経費に計上できることも、複合機をリース導入するメリットです。印刷枚数に応じたカウンター料金は変動しますが、リース料金は固定のため、毎月のランニングコストを把握しやすいメリットもあります。
経理業務の負担軽減
複合機をリース導入した場合は、減価償却する必要はなく、固定資産税の支払いも不要です。このため、経理業務の負担を軽減できるメリットが得られます。
これは、リース物件である複合機の所有権がリース会社に帰属するため。
複合機の減価償却や、固定資産税の支払いはリース会社の責任となるため、借主であるユーザー企業が負担する必要はありません。
動産総合保険が適用される
複合機のリース料金には「動産総合保険」の掛け金が含まれています。このため、天災などの不慮の事故で複合機が被害を受けても、動産総合保険による補償を受けられるメリットがあります。
複合機をリース導入するデメリット
初期費用不要、リース料金の経費計上など、法人にとってはメリットばかりのように思える複合機リース契約ですが、注意点ともいえる知っておきたいデメリットもあります。
以下から簡単に解説していきます。
リース契約の中途解約は不可
複合機のリース契約は「解約不能」「フルペイアウト」のファイナンスリースであるため、契約期間中の中途解約ができないデメリットがあります。契約期間の残りが少なければ、残額を支払うことで契約解除できる可能性もありますが、場合によっては違約金を請求されることも。事実上、リース契約の中途解約は不可能だと考えておいた方がいいでしょう。
また、そもそもの大前提として、リース契約するには「審査」をパスする必要があります。審査基準はリース会社によって異なりますが、どのような会社でもパスできるようなものではありません。
リース期間満了時は複合機を返却
複合機のリース期間満了時(リースアップ)には、リース物件である複合機を返却しなければならないデメリットがあります。これは「フルペイアウト」であっても、複合機の所有権はリース会社に帰属したままだからです。
既存のリース物件(複合機)を継続してリースする「再リース」、リースアップ後の複合機を買い取るという方法もありますが、リース会社によって対応は異なります。一般的には、既存複合機と入れ替えに、新しい複合機をリース導入する場合が多いようです。
複合機の再リースについては以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:複合機・コピー機の再リースとは?契約の仕組み・メリット・デメリットを解説!
中古複合機はリースの対象外
複合機のリース契約は「新品を対象」としているため、どんなに状態の良い中古複合機であってもリース導入できないデメリットがあります。費用を抑えるために中古複合機を導入したいという場合は、一括購入、もしくはレンタル導入するしかありません。
複合機のリース導入は一括購入 / レンタルとなにが違う?
中古複合機の一括購入、レンタル導入に触れたところで、リース、一括購入、レンタルにはどのような違いがあるのか?最後に、それぞれのメリット・デメリットを比較表で紹介しておきます。
メリット |
デメリット |
おすすめの企業 |
|
複合機を リース契約 |
・最新の複合機を 初期費用なしで導入 ・リース料金は 全額経費に計上可能 ・経理業務の負担軽減 ・万一の場合に動産保険を 適用できる |
・リース契約の 中途解約は不可 ・リース期間満了時は 複合機を返却 ・中古複合機は リースの対象外 ・総額は一括購入より高額 |
・初期費用を抑えながら 最新複合機を利用 したい企業 ・定期的に最新の 複合機に買い替え ていきたい企業 |
複合機を 一括購入 |
・新品 / 中古を問わず、 複合機を自由に選べる ・総額はリース契約 よりも安価 ・自社の資産にできる |
・初期導入費用が高額 ・税金 / 保険料の 支払いを含め、 自社管理が必須 ・会計処理が 複雑になりがち |
・自社管理しながら 長期的に複合機を 利用したい企業 ・少しでも複合機の 導入総額を抑えたい企業 |
複合機を レンタル |
・必要なときだけ 複合機を利用できる。 短期利用も可能 ・審査は不要 ・費用は利用した分のみ |
・利用期間が長期に なると割高 ・印刷枚数が多いと割高 ・選択できる複合機が 少ない |
・短期的、断続的に 複合機を利用したい企業 ・臨時事業所で 複合機を利用したい企業 |
複合機の一括購入 / リース契約の違いについては以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:コピー機・複合機は購入 / リース契約どちらで導入?それぞれがおすすめの企業も紹介!
複合機をリース導入するメリット・リースの仕組みを紹介しました
複合機を導入する企業の多くがリース契約を利用しているらしい。それはなぜか?複合機をリース導入するメリットはなにか?複合機導入にあたって知りたい企業担当者に向け、複合機をリース導入することで得られるメリット、知っておきたいデメリット、リースの仕組み・種類を解説してきました。
メリットの大きいリース契約は、複合機を導入するもっともポピュラーな方法。審査基準はリース会社によってさまざまですが、販売店経由の申し込みは比較的通りやすいといわれています。複合機のリース導入を迷っているなら、実績豊富な販売店へ問い合わせてみることをおすすめします。