社用携帯は必要?導入のメリット・知っておきたい注意点・管理のポイントを解説!

社用携帯は必要?導入のメリット・知っておきたい注意点・管理のポイントを解説!

社用携帯の導入を検討しているが、本当に必要なのだろうか?

そんな悩みを持つ企業担当者の方に向け、社用携帯の導入メリット、知っておきたい注意点、利用ルール策定や管理のポイントを解説していきます。

目次
  1. 1. 社用携帯の普及率
    1. 1-1. 社用携帯へのニーズが高まる要因
  2. 2. 社用携帯の導入メリット
    1. 2-1. 情報漏洩リスク低減
    2. 2-2. 業務効率化 / 生産性向上
    3. 2-3. 業務とプライベートの切り分けが容易
    4. 2-4. 通話・通信コストの削減 / 従業員の満足度向上
    5. 2-5. 事務業務の効率化
  3. 3. 社用携帯を導入する際の注意点
    1. 3-1. 私的利用による情報漏洩リスク
    2. 3-2. 従業員の端末管理が煩雑
    3. 3-3. 導入コスト / ランニングコスト
    4. 3-4. 利用ルールの策定 / 端末の集中管理が重要
  4. 4. 社用携帯の利用ルール / 端末管理のポイント
    1. 4-1. 私的利用の範囲を明確にする
    2. 4-2. データバックアップ
    3. 4-3. 社用携帯紛失 / 盗難時のエスカレーション
    4. 4-4. MDMサービスの導入
  5. 5. 社用携帯の導入メリット・注意点・管理ポイントを紹介しました

社用携帯の普及率

そもそも、どのくらいの企業が社用携帯を導入しているのか?気になっている方も多いはず。MMD研究所の「2022年法人向け携帯電話の利用実態調査」によれば、大企業の42.1%、中小企業の30.4%が社用携帯を利用しているという結果が出ています。

社用携帯の普及率

画像出典:MMD研究所

社用携帯の普及率が高いと感じるか、低いと感じるかは、業種や職種によって受け止め方が異なるかもしれません。しかし、社用携帯の普及率は、今後も確実に高まっていくと考えられます

社用携帯へのニーズが高まる要因

なぜなら、ビジネスを取り巻く環境の変化によって、社用携帯へのニーズが高まると考えられるからです。

具体的には、以下のような要因が挙げられます。

  • テレワークを含む働き方の多様化
  • いつでもどこからでもアクセスできるクラウドサービスの普及
  • 法人に強く求められる傾向にある内部統制 / コンプライアンス
  • 災害・緊急時の安否確認 / 連絡手段の確保

いずれの要因も、キーとなるデバイスは社用携帯。テレワーク対応、安否確認 / 連絡手段確保などの要因を見てもお分かりのように、営業以外の幅広い職種が対象となるため、普及率は確実に高まるはずです。

また、社用携帯はiPhone / Androidのほか、フューチャーフォン(ガラケー)も含まれますが、今後はスマートフォン比率が高まることは確実でしょう。キャリアがスマートフォンへの移行を推奨し、クラウドサービスへのアクセスが必須な現代では自然な流れです。

社用携帯の導入メリット

社用携帯の導入メリット

社用携帯の必要性が高まりつつある現状を踏まえ、以下から、社用携帯の具体的な導入メリットをいくつか紹介していきましょう。

情報漏洩リスク低減

業務利用に限定された社用携帯は、情報漏洩リスクを低減できるメリットがあります。許可されたサイト / アプリのみの利用に限定すれば、リスクを低減できるのは当然。法人向け携帯電話サービスの用意するオプションを利用し、セキュリティをより強化することも可能です。

自己責任でさまざまなサイト / アプリを利用する個人携帯では、こうはいきません。気づかないままウイルス感染した端末を社内システムに接続することで、情報漏洩トラブルにつながることも充分考えられます。

業務効率化 / 生産性向上

社用携帯を活用することで業務効率化による生産性向上というメリットが得られます。これは特に「オフィス内の固定電話のみが連絡手段」という会社に有効です。

社用携帯なら、移動中やテレワーク中でも着信を確認可能。手の空いたタイミングで素早く折り返しが可能です。電話・伝言の有無を確認しにオフィスへ立ち寄る必要も、顧客 / 取引先への折り返しを待たせてしまうこともありません。

スマートフォンならテザリングも利用可能

社用携帯としてスマートフォンを採用すれば、テザリングのアクセスポイントとして使えるため、外回り営業の効率化 / 利便性向上というメリットも得られるでしょう。

ちょっとだけインターネットに接続したいが、無料Wi-Fiは利用できない。そんな営業マンが抱えやすい悩みも、アクセスポイントになる社用携帯があれば解消。リスクの高い無料Wi-Fiへの接続が不要になるため、セキュリティを強化する効果も得られます。

業務とプライベートの切り分けが容易

業務専用の社用携帯を配布することでプライベートとの切り分けが容易になるため、従業員のライフワークバランスを改善できるメリットが得られます。たとえば、MMD研究所の調査では、大企業 / 中小企業ともに「個人所有・個人番号の携帯電話を業務で利用する」人が60%を超えています。

業務とプライベートの切り分けが容易

画像出典:MMD研究所

業務時間外でも電源を切るわけにいかない個人携帯を利用していては、業務とプライベートの境が曖昧になってしまうのは当然。こうした課題を解決するためにも、社用携帯はおすすめなのです。

通話・通信コストの削減 / 従業員の満足度向上

個人携帯を業務利用する従業員が感じているもっとも大きな不満点は「通話・通信費」を自己負担していること。アンケートの結果からは、少なくとも個人携帯を利用する方の1/4程度は、通話・通信費を自己負担していると考えられます。

通話・通信コストの削減 / 従業員の満足度向上

画像出典:MMD研究所

社用携帯を導入することでこうした課題も解決可能。結果的に、従業員の満足度を向上させられるというメリットが得られます。

事務業務の効率化

業務に関連する通話・通信費を会社へ一元化することで、事務業務を効率化できるメリットも得られるでしょう。

たとえば、個人携帯を業務利用する方のなかには、都度、通話・通信費を精算しているという場合も少なくありません。これは申請する側、経費処理する側にとって大きな負担。社用携帯で支払いを一元化すれば、事務作業がシンプルになることは明白です。

社用携帯を導入する際の注意点

社用携帯を導入する際の注意点

メリットの大きい社用携帯の導入ですが、単にスマートフォンを配布するだけではメリットを最大化できません。社用携帯の運用を開始する前に、メリットの反面ともいえるリスク、注意点を把握しておくことが重要です。以下から簡単に解説していきましょう。

私的利用による情報漏洩リスク

配布された社用携帯に利用制限が設けられていなければ、Webサイトやアプリなどの私的利用を要因とした情報漏洩リスクが高まります。これでは、個人携帯と切り分けることで「情報漏洩リスクを低減する」という、社用携帯のメリットを活かせません。

従業員の端末管理が煩雑

社用携帯を利用する方が感じるもっとも大きな不満点は「個人携帯とあわせ、2台の端末を持ち歩くのが面倒」ということ。つまり、管理の煩雑な社用携帯は、従業員の取り扱いがおろそかになりがち。結果的に「置き忘れ」「紛失」「盗難」などを要因とした情報漏洩インシデントにつながるリスクがあります。

導入コスト / ランニングコスト

端末の費用、月々の通話・通信費など、社用携帯を配布するには少なくない導入コスト / ランニングコストがかかります。コンプライアンス強化 / 安否確認など、実務以外でもニーズの高まる社用携帯ではありますが、制限なしに配布していたのでは、無駄なコストが生じてしまいます

利用ルールの策定 / 端末の集中管理が重要

つまり、考えられるリスクを排除し、社用携帯のメリットを最大化するには、利用ルールを策定して従業員に徹底させると同時に、端末を集中管理することが重要。本当に必要な従業員にだけ、社用携帯を配布することも重要なポイントです。

社用携帯の利用ルール / 端末管理のポイント

社用携帯の利用ルール / 端末管理のポイント

それでは、社用携帯のメリットを最大化するには、どのような利用ルールを策定し、どのように端末を管理していけばいいのか?

以下から、ヒントとなるポイントを簡単に解説していきましょう。

私的利用の範囲を明確にする

単純に「社用携帯の私的利用を禁止する」のではなく、なにが私的利用にあたるのかを明確にした上で「利用ルール」を策定しましょう。たとえば「閲覧するのは許可されたWebサイトのみ」「アプリのダウンロード / インストールには申請 / 許可が必要」など。利用範囲が明確になることで、社用携帯の利用促進にも役立ちます。

ただし、不満点として「利用ルールが厳しいため利便性に欠ける」を挙げる利用者が少なくないことにも留意しておきましょう。社用携帯を運用しながら従業員の意見を収集し、利用ルールをブラッシュアップしていくことが重要です。

データバックアップ

紛失 / 盗難など、万一の事態に備えて「社用携帯のデータバックアップ」をルール化しておきましょう。端末のデータを同期できるクラウドサービスなどを利用し、バックアップの手間を軽減することも可能。
社用携帯のデータを定期的にバックアップしておけば、万一の場合でも簡単に復元できます。

社用携帯紛失 / 盗難時のエスカレーション

社用携帯紛失 / 盗難などのトラブル発生時は、時間が経過すればするほど情報漏洩リスクは高まります。
速やかに事態を終息させるためにも、エスカレーション手順をルール化しておくことが重要です。

エスカレーションとは、対応・解決が困難な状況を上位者に報告し、対応を委ねること。対応が後手に回らないよう、エスカレーション手順をできる限りシンプルにしておくことがポイントです。

MDMサービスの導入

利用ルールを策定していても、社用携帯管理を個々の従業員に委ねていたのでは、リスクを最小化することは困難。会社主導による集中管理が重要なのはこのためであり、社用携帯を管理するのに有用なツールが「MDM」です。

MDM(Mobile Device Management)とは、文字通り「モバイルデバイス管理」に特化したソフトウェア / ツールのこと。
アプリ一斉配信、OSアップデート、利用アプリ制限などの機能を持つほか、紛失した端末にロックを掛け情報漏洩を防止するなどが可能。社用携帯の一元管理を実現できます。

社用携帯の導入メリット・注意点・管理ポイントを紹介しました

社用携帯の導入を検討しているが、本当に必要なのだろうか?そんな悩みを持つ企業担当者の方に向け、社用携帯の導入メリット、知っておきたい注意点、利用ルール策定や管理のポイントを解説してきました。

本文内でも触れたように、環境の変化にともなって社用携帯へのニーズは高まりつつあります。しかし、業務効率化 / 生産性向上といったメリットの反面として、少なからずリスク面が存在することも事実。社用携帯のメリットを最大限享受するためにも、利用ルールの策定と徹底、端末管理の徹底が欠かせません